「太陽生命カップ2016 第7回全国中学生ラグビーフットボール大会」戦評

女子の部

9/18 9:00KO 1回戦
東京都スクール選抜(女子)(28) 対 (0)京都府女子選抜


 京都府女子選抜のキックオフで始まった直後のラインアウトから、京都府女子選抜ディフェンスのギャップを突いた東京都スクール選抜が俊足をとばしてトライし、ゲームの主導権を握る。その後も東京都スクール選抜が個人技と訓練られたムーブでトライを重ねた。
 後半も開始直後から東京都スクール選抜が攻め込み、ゴール前のペナルティキックからトライ。京都府女子選抜もセブンズらしい大きくボールを動かす攻撃でゲインを図るが、東京都スクール選抜のプレッシャーを前にチャンスを生かすことができなかった。
 点差はひらいたが、京都府女子選抜もセブンズの特徴をよく考えたプレイを志向しており、両チームの選手の将来が楽しみである。

9/18 9:00KO 1回戦
大阪府女子選抜(浪花闘球娘)(12) 対 (17)九州選抜Aチーム

 大阪府女子のキックオフで試合開始。 開始早々の1分、九州選抜Aチームが大阪府女子選抜の隙をついて先制トライ5点。前半6分、九州選抜Aチーム、自軍25メートル付近より積極的にオープン展開、最後はウィングが走り切りトライし、5点を追加して合計10点とする。九州選抜Aチームのバックスの走力、運動量の多さが若干勝っていたが、両チーム共にパスが上手に通らず・ミスが目立ち、パスの基本に未熟な選手が見られた。
 後半試合開始2分、大阪府女子選抜がスクラムから仕掛け、バックスに展開、中央にトライ・ゴールも成功し7点。後半4分、中央付近から九州選抜Aチームが仕掛けバックスに展開、中央にトライ・コンバージョンゴールも成功し7点を追加して17点とした。ノーサイドギリギリの7分、大阪府女子選抜が自軍スクラムから、大きくオープンに展開トライを返し5点を追加するが12点と九州選抜Aチームに追いつけない。
 両チーム共に降雨下での試合展開となったことから、ハンドリングミス・パスが上手に通らず・ミスが目立つと共に、下に行くタックルが少なかった。
また、選手が成長期に当たっており、個々の選手の脚力に差が有り、フォワードからバックスへボールが供給されるが、なかなかラインを突破することが出来ない、もどかしい試合展開となった。特に九州選抜Aチームのハイタックルが目立ち、首から上のタックルで2名がシンビンを取られた。

9/18 9:00KO 1回戦
兵庫県中学女子選抜(ガールズ兵庫)(21) 対 (5)東京都中学校女子チーム


 女子1回戦。雨の中、兵庫県中学女子選抜のキックオフで試合が始まる。緊張と雨の影響か、東京都中学校女子チームのハンドリングミスに乗じて、兵庫県中学女子選抜が先制トライを奪う。その後もオフロードパスを生かす兵庫県中学女子選抜が試合のペースを握り、トライを重ねる。接点で圧力をかけ対抗する東京都中学校女子チームであったが、チャンスでのミスが響きトライを奪えず。
 後半、東京都中学校女子チームが相手の反則を奪い、素早い展開からトライを返すも反撃及ばず、21対5で試合終了。
 7人制の試合らしく両チームとも素早くボールを展開し、好感のもてる試合であった。


9/18 9:00KO 1回戦
九州選抜Bチーム(0) 対 (33)神奈川県女子選抜


 今大会より正式競技に格上げとなった女子7人制。前半、九州選抜Bチームのキックオフで試合が開始。両チームとも初戦ということで硬さがみられた立ち上がりとなったが、神奈川県女子選抜が持ち前の継続ラグビーで前半3分、4分、5分、7分と4トライを重ね0-26で前半が終了。 
 後半、九州選抜Bチームもディフェンスを頑張り、両チームとも無得点でゲームが進むも、ノーサイド寸前に神奈川県女子選抜がトライを追加、コンバージョンゴールも成功し、そのまま試合終了。0-33で神奈川県女子選抜が勝利した。

9/18 11:20KO 敗者戦
京都府女子選抜(0) 対 (22)大阪府女子選抜(浪花闘球娘)


 前半ゴール前からサイドを突いて大阪府女子選抜の6番がトライ、5点を先制。さらに前半終了間際にも大阪府女子選抜の3番が左サイドを抜けてトライし、0対10で前半が終了した。
 後半6分にも展開力に優れる大阪府女子選抜が左に回して6番がトライ。コンバージョンゴールも成功し7点を追加した。終了間際にはペナルティキックから1番が突破し、トライを追加して0対22で大阪府女子選抜が勝利した。
 雨天のためボールが手に付かず、ハンドリングエラーも目立ったが、素晴らしいタックルもあり、ボールを展開しようとする意識が感じられる試合だった。

9/18 11:20KO 敗者戦
東京都中学校女子チーム(26) 対 (10)九州選抜Bチーム


 雨の中、九州選抜Bチームのキックオフで始まったゲームは九州選抜Bチームがバックスの走力を生かしてノーホイッスルトライを挙げ、5対0とリードした。一方の東京都中学校女子チームは低いタックルからチャンスを掴み、すぐに1トライを返してコンバージョンゴールも決め、逆転に成功した。さらに東京都中学校女子チームはトライを追加し、14対5とリードを広げて前半を終えた。
 後半入っても東京都中学校女子チームは攻撃の手を緩めず、よくボールを動かして2本のトライを重ね、九州選抜Bチームの反撃を1トライに抑えて26対10で勝利を納めた。

9/18 11:20KO 準決勝
東京都スクール選抜(女子)(14) 対 (12)九州選抜Aチーム


 雨の降る中、九州のキックオフで前半が開始。相手陣で試合を運んだ九州選抜Aチームが開始1分。ゴール前の連続攻撃から中央にトライ。コンバージョンゴールも成功させ0対7とし、序盤リードする。東京都スクール選抜も積極的に展開して攻めるが、ディフェンスのプレッシャーからかミスをして続かず、相手陣でゲームを続けるも得点ならず、前半を終了する。
 後半、東京都スクール選抜のキックオフで九州選抜Aチーム陣でのゲームとなったが、後半2分、自陣から九州が抜け出しサポートもあってトライを追加。ゴールはならなかったが0対12として東京都スクール選抜を突き放す。しかし東京都スクール選抜も諦めず、後半5分に自陣ゴール前から展開、サポートを繰り返し、トライを返し、ゴール成功。7対12とし迫る。さらにその後のキックオフからのプレーで九州選抜Aチームが反則をおかし、そのペナルティから東京都スクール選抜が右へ展開、右中間にトライ。コンバージョンゴールも成功させ、14対12と逆転。そのままノーサイドで東京都スクール選抜が逆転勝利を納めた。
 両チームとも最後まで積極的にボールを動かす見応えのあるゲームであった。

9/18 11:20KO 準決勝
兵庫県中学女子選抜(ガールズ兵庫)(0) 対 (10)神奈川県女子選抜


 雨が強く降り、両チームともハンドリングエラーが多く攻撃が継続できない。ノースコアのまま前半が終了するかと思われたが、前半7分、神奈川県女子選抜が自陣からラインブレイクに成功してインゴールまで到着するが、兵庫県女子選抜の粘りのディフェンスにあい、インゴールノックオンで前半終了。
 後半1分、自陣10mラインから展開した神奈川県女子選抜が先制トライで0対5。その後、一進一退の攻撃が続くが後半7分、兵庫県女子選抜が自陣ゴール前のハイタックルでシンビン。神奈川県女子選抜が1人多い優位性を生かしてトライ。0対10で決勝進出を決めた。

9/19 8:50KO 5位決定戦
大阪府女子選抜(浪花闘球娘)(12) 対 (7)東京都中学校女子チーム


 試合前、円陣を組み気合を入れる両チーム。大きな声がスタジアムに響き渡る。東京都中学校女子チームのキックオフで試合が始まる。開始早々、キックで敵陣に入り相手反則から素早い攻撃で大阪府女子選抜がトライを奪う。東京都中学チームもすぐに反撃。ボールを大きく展開し70mを独走するトライを返す。その後も一進一退の試合展開が続き、前半を7対7で終了する。
 後半に入り、大阪府女子選抜の個々が強く前に出るアタックが目立ち始め、中央を突破してトライを奪った大阪府女子選抜が12対7と勝利する。
 個々が強く前に出る大阪府女子選抜、ボールを大きく動かし、スピードを生かしたアタックの東京都中学校女子チームと両チームとも自分たちの持ち味を十分に発揮した女子ゲームであった。

9/19 9:00KO 7位決定戦
京都府女子選抜(24) 対 (5)九州選抜Bチーム


 セブンスらしく大きくボールを動かしスペースを積極的に攻める京都府女子選抜と、個々の走力で突破を図る九州選抜Bチーム。両チームとも気持ちの入った好ゲームを展開した。
 前半は、組織に優る京都府女子選抜がスペースに上手くボールを運び先制のトライ。対する九州選抜Bチームもキックカウンターからの独走でトライを返し互角の戦い。
 後半に入り、両チームとも積極的に選手を入れ替える中、流れを掴んだのは組織的な攻撃でポイントを極力作らずにスペースにボールを運んだ京都府女子選抜。個の力でゲインを狙う九州選抜Bチームがポイント周辺に集まったところで大きく外側にボールを運び、トライを重ねた。
 7、8位戦ではあったが、両チームとも持ち味を発揮し、互いを讃え合う女子らしい爽やかな好ゲームであった。 

9/19 9:15KO 3位決定戦
九州選抜Aチーム(27) 対 (0)兵庫県中学女子選抜(ガールズ兵庫)


 兵庫県中学女子選抜のキックオフで試合が始まる。両チームとも7人制の試合らしく、ボールを繋ぎ展開するラグビーを試みる。序盤は緊張からか両チームともハンドリングミスが多く、なかなか自分たちのチームの展開に持ち込めない状態が続く。しかし九州選抜Aチームが相手ミスに乗じてボールを大きく展開し、先制トライを奪い、試合の流れを引き寄せる。1対1の接点で勝ち始めた九州選抜Aチームが試合を支配する。兵庫県中学女子選抜も細かくボールを繋ぎトライを狙うも九州選抜Aチームの鋭いタックルの前にチャンスが作れず、ターンオーバーからトライを奪われる展開になる。接点の強さ、鋭いタックル、ランニングスキルと九州選抜Aチームの良さが目立った試合であった。
 また、兵庫県中学女子選抜の最後まで諦めず、トライを狙いにいく姿勢に好感が持てた。

9/19 9:40KO 決勝戦
東京都スクール選抜(女子)(17) 対 (7)神奈川県女子選抜


 前半、東京都スクール選抜はペナルティが多くスペースが掴めず、神奈川県女子選抜が試合を優位に進める。相手ゴールライン目前まで攻め込むが、マイボールスクラムでフリーキックの反則。東京都スクール選抜が逆襲し、ハーフウェイラインまで戻す。神奈川県女子選抜は防御に追われ反則。東京都スクール選抜は素早く攻め、50m走りきりトライ。5-0とする。
 後半は、東京都スクール選抜ペースで試合が進み、2トライ1ゴールを加え、17対0とリードを広げる。後半7分、神奈川県女子選抜はハーフウェイライン付近でバックスがラインブレイク。インゴールまでパスを繋いでトライ。ゴールも決まり、17対7と反撃したところで試合終了。東京都スクール選抜が優勝を飾った。