「太陽生命カップ2016 第7回全国中学生ラグビーフットボール大会」戦評

中学校の部

9/17 16:30KO 1回戦
秋田市立西陵中学校(38) 対 (0)高鍋町立高鍋西中学校


 開始直後は両チームとも硬さが見られたが、前半3分に西陵中学校がキックカウンターからトライし、流れをつかんだ。高鍋西中学校も早いリサイクルでボールを動かすが西陵中学校の厳しいディフェンスを崩すことができない。西陵中学校がキックを効果的に使い、相手陣地で有利にゲームを進め2トライを追加して前半を終了した。
 後半も西陵中学校が先にトライ。高鍋西中学校も必死にディフェンスするも、個々のタックルが次第に甘くなり始め、素早くリサイクルを繰り返す西陵中学校のアタックに対応することができず、連続してトライを許した。終盤になり、高鍋西中学校が西陵中学校のペナルティキックから攻め込むが、トライをとりきることができず、西陵中学校の完勝で終わった。
 西陵中学校の整備されたディフェンスと個々のタックルの強さ、よく訓練されたモールは関西地区第一代表として素晴らしいものであったが、何よりもルーズボールに対する意識の高さ、反応の早さが光ったゲームだった。

9/17 17:25KO 1回戦
東海大学付属仰星高等学校中等部(31) 対 (29)茗溪学園中学校


 照明灯の明かりの下で始まった仰星高等学校中等部と茗溪学園中学校の試合は、フォーワードとバックスのバランスのとれた攻撃力をもつ仰星高等学校中等部が前半2分、5分と立て続けにトライを挙げ、12対0としてゲームを優位に進めた。しかし、茗溪学園中学校もバックスの展開力を生かして2トライを返し、12対10と2点差と迫って前半を折り返した
 後半に入っても一進一退の攻防が続き、両チーム3トライずつを追加してシーソーゲームとなったが、仰星高等学校中等部のが粘る茗溪学園中学校を2点差で振り切り、31対29で勝利を収めた。

9/17 17:55KO 1回戦
熊本市立託麻中学校(21) 対 (17)秋田市立将軍野中学校


 前半開始3分、中央付近から託麻中学校がオープンに展開、バックスラインのタックルをかわし中央に付近にトライ・コンバージョンゴール成功し7点。さらに前半8分、将軍野中学校も敵陣スクラムよりバックスに展開、再三のポイントから最後はバックスが持ち込みトライ・コンバージョンゴール成功し7点。前半14分、将軍野中学校がバックス展開を試みる、敵陣よりバックスラインを突破し、中央付近にトライ5点を加え、12点とした。託麻中学校も慌てず冷静にバックスを使いゲインを図り、中央付近にトライ・コンバージョンゴール共に成功し7点を追加して14点とした。両チーム共にキックを多用することなく、セットプレーから果敢にバックス攻撃を仕掛け・オープンに展開し揺さぶりを掛ける。
 後半開始3分、託麻中学校が中央付近から仕掛け、バックスに左に展開、トライ・ゴールも成功し7点を加え、21点とする。後半13分には、将軍野中学校が自軍陣地よりバックスラインがロングゲイン、サイドにトライ5点を追加して計17点とする。
 両チーム共にバックス攻撃を仕掛け・オープンに展開する見応えの有る試合内容であったが、若干、託麻中学校のバックスが、スピードに加えライン突破力が勝っていた。


9/17 17:55KO 1回戦
天理中学校(10) 対 (20)本郷中学校


 5年連続5回目出場の天理中学校と初出場の本郷中学校との対戦。
 ナイター照明のもと、天理中学校ボールのキックオフでスタート。本郷中学校のレシーブミスで得たスクラムから天理中学校のバックスがサインプレーで抜けて開始1分でトライ。コンバージョンゴールも決まり7対0と天理中学校の先制。本郷中学校は気落ちすることなく、前半4分に右隅にトライを決め、7対5。前半9分には本郷中学校がペナルティゴールを決め、7対8と逆転。一進一退の攻防が続くが、ジワジワと相手陣に攻め込んだ天理中学校が前半15分にペナルティゴールを決め、10対8と再逆転。
 後半2分、本郷中学校はフォワードがブレイクダウンの近場を攻め、天理中学校ディフェンスが内側に寄り、外のスペースが空いたところをバックスが走りきりトライ。10対13と再逆転した。天理中学校もモールを30m押し込むなどするが、本郷中学校が逆転を許さない。本郷中学校は後半15分から4分近く攻撃を続け、天理中学校ディフェンスが対応しきれなくなったところでトライ。コンバージョンゴールも決まり10対20とリードを広げる。残り1分足らずになったが、天理中学校は積極的に攻め続け、ゴール前まで迫るが本郷中学校ディフェンスが粘りノータイム。後半を無失点でしのいだ本郷中学校が準決勝進出を決めた。

9/18 9:20KO 敗者戦
高鍋町立高鍋西中学校(0) 対 (45)茗溪学園中学校


 高鍋西中学校のキックオフで試合が始まる。開始早々、高鍋西中学校が圧力をかけ、茗溪学園中学校の反則を誘い試合のペースを握る。茗溪学園中学校も鋭いタックルで応戦し、高鍋西中学校のトライを許さなかった。接点で勝ち始めた茗溪学園中学校が徐々に試合を支配し始め、ラックからの素晴らしい展開でトライを奪い、前半を19対0でリードして終える。
 後半に入り、12番、3番の選手を中心にトライを狙う高鍋西中学校であったが、茗溪学園中学校の鋭いディフェンスに阻まれ、チャンスを作れないまま試合が進む。個々のスピードに勝る茗溪学園中学校がトライを重ね、26対0で試合終了。茗溪学園中学校のスピードと鋭いディフェンスが光った試合であった。

9/18 9:20KO 敗者戦
秋田市立将軍野中学校(5) 対 (33)天理中学校

 何時雨が降ってもおかしくない曇天で迎えた敗者戦、将軍野のキックオフで試合が始まる。前半4分、天理が敵陣30mの付近より、将軍野中学校のすきを突いたクイックスローから左に展開、中央に先制のトライ。前半7分には、敵陣22mのラインアウトからモールを走り抜けるようなスピードで押し込みトライを追加。
将軍野中学校は、前半9分にアリータックルによるシンビンで1人欠ける状態で良く耐えていたが、シンビンが解けた後に3本目のトライ、前半終了間近に4本目のトライを許し、0-26で前半終了。
 後半、両チームとも持ち味をだし、大変引き締まったゲーム展開となった。天理中学校が5分、自陣からフェーズ重ねを右端にダメ押しのトライ、ゴール成功で0-33と突き放す。
将軍野中学校は、後半12分、敵陣左中間ゴール前ラックからスクラムハーフが持ち出し、意地のトライ、ゴール成功で7点を返す。後半は、両チームの持ち味を出し切った大変締まったゲームとなったが、将軍野中学校にとっては、前半の失点が大きく、悔いの残る試合となった。

9/18 10:15KO 準決勝
京都市立西陵中学校(19) 対 (5)東海大学付属仰星高等学校中等部


 小雨の中、西陵中学校のキックオフで試合が開始。仰星高等学校中等部のミスボールを西陵中学校が拾い右に展開。開始35秒で先制トライを奪い、コンバージョンゴールも成功。7対0と試合を動かす。その後も仰星高等学校中等部は立ち上がりの硬さからミスを連発し、なかなかペースを掴めない。前半18分、仰星高等学校中等部が西陵中学校ゴール前でラックサイドをテンポよく攻め続け、右中間にトライを返すも、コンバージョンゴールはならず7対5と迫る。しかし、その直後のキックオフのボールを西陵中学校がラックからターンオーバーし、1番がサイドを抜け、40mを独走しトライを追加。コンバージョンゴールも成功させ、14対5として前半を終える。
 後半4分、仰星高等学校中等部のオフサイドからのペナルティでエリアをとった西陵中学校が、その後のラインアウトでモールを押し込みトライを追加。コンバージョンゴールは不成功となったが、19対5と仰星高等学校中等部を突き放す。仰星高等学校中等部もその後反撃を試みるが、西陵中学校の固いディフェンスに阻まれ、得点できずにノーサイドとなった。
 西陵中学校は身体を確実に当て、前に押し込むタックルで仰星高等学校中等部のアタックを寸断。堅いディフェンスとエリアを考えた上手な試合運びが目立つ試合であった。

9/18 10:15KO 準決勝
熊本市立託麻中学校(7) 対 (15)本郷中学校


 小雨が降るなか、託麻中学校ボールのキックオフで試合開始。本郷中学校はディフェンスで前に出てプレッシャーをかけ、託麻中学校の反則を誘いペナルティを得て相手陣内へ。前半4分相手陣内でフェーズを重ねた本郷中学校がトライを挙げ5対0と先制する。その後、託麻中学校も反撃するが、本郷中学校の粘り強いディフェンスと素早いジャッカルの前に得点できないまま前半終了。
 後半5分、本郷中学校が相手陣22m付近でラインアウトを得る。ラインアウトからモールを組み20m押し込みトライ。10対0とリードを広げる。後半9分、託麻中学校がオフェンスでフェーズを重ね、本郷中学校ディフェンスが前に出て裏にできたスペースにグラバーキックを蹴り込み、そのままインゴールに持ち込みトライ。ゴールも決まって10対7。その後、託麻中学校ペースで試合が進むが、本郷中学校がディフェンスで粘り、追加点を許さない。後半19分、託麻中学校が自陣ゴールライン付近で展開するが、ボールをロスト。ボールを拾った本郷中学校が展開してトライ。15対7となる。その後、託麻中学校も反撃するがノータイム。初出場同士の準決勝は本郷中学校が制し、決勝進出。



9/19 10:00KO 7位決定戦
高鍋町立高鍋西中学校(33) 対 (14)秋田市立将軍野中学校


 曇り空ではあるが朝からの雨もやみ、将軍野中学校のキックオフでゲームが開始された。立ち上がりの硬さから、両チームボールを動かすがミスが出てなかなか攻撃がつながらない。前半5分、右に展開した高鍋西中学校が抜け出し先制トライ。コンバージョンゴールも決め、7対0とする。前半11分にはゴール前の高鍋西中学校のフォワードの反則で得たペナルティから将軍野中学校がボールを動かし右中間にトライ、コンバージョンゴールも成功して7対7と振り出しにもどす。前半17分、自陣から簡単に攻める将軍野中学校から高鍋西中学校がインターセプト。中央にトライし、コンバージョンゴールも成功して14対7と突き放した。さらにロスタイムに入った前半21分にも高鍋西中学校がトライ、コンバージョンゴールを追加して21対7として前半を終える。
 後半開始1分、将軍野中学校が連続攻撃で左へ展開しトライ。コンバージョンゴールも成功して21対14と迫る。その後、将軍野中学校が再三に渡り、高鍋西中学校陣内で攻め続けるが、高鍋西中学校も懸命のディフェンスで得点を許さず、後半15分、高鍋西中学校が自陣からボールを繋ぎ、右中間にトライ、コンバージョンゴールも成功し28対14と将軍野中学校を突き放す。追加点で勢いを取り戻したか高鍋西中学校が終了間際にダメ出しの1トライを追加した。
 結局33対14としノーサイド。敗れはしたが将軍野中学校も最後まで諦めずに、攻め続けた姿には中学生らしい清々しさを感じた。

9/19 10:00KO 5位決定戦
茗溪学園中学校(33) 対 (12)天理中学校


 前半5分、天理中学校が右オープン攻撃から12番がライン参加してトライ、5点を先制。天理中学校の速い球出しからテンポ良い展開力が光った。また前半11分、茗溪学園中学校が相手ゴール前のポイントから2番が飛び込んでトライ。コンバージョンゴールも決めて7対5と逆転した。茗溪学園中学校は終了間際に右オープン攻撃から11番がトライ、12対5で前半終了。
 後半6分、茗溪学園中学校自陣に、天理中学校が右オープン攻撃を仕掛けたが、茗溪学園中学校9番がインターセプトしてトライ、コンバージョンゴールも決まって7点を追加。後半13分にも茗溪学園中学校がボールをつなぎ6番がトライ、コンバージョンゴールも成功してさらに7点を追加した。後半15分、天理中学校も1トライ、1ゴールを返して反撃したが、終了間際にターンオーバーから茗溪学園中学校の6番がトライし、コンバージョンゴールも決めて33対12で茗溪学園中学校が天理中学校に勝利した。 
 茗溪学園中学校はフォワード、バックス一体となる攻撃力と個々の決定力で天理中学校を上回った。

9/19 10:20KO 3位決定戦
東海大学仰星高等学校中等部(29) 対 (7)熊本市立託麻中学校

 託麻中のキックオフで試合開始、7分、仰星中学校が中央付近より再三ライン攻撃を仕掛けた末、中央付近にトライ・ゴール成功し7点。前半12分、仰星中学校が再々ライン攻撃を仕掛け、ポイントからの早い球出しによりディフェンスラインを崩し、トライし5点を追加して合計12点。前半13分、仰星中学校がスクラムよりオープンに展開、バックスが走り切りトライ・コンバージョンゴールともに成功しさらに7点を追加。19点とする。前半19分、劣勢だった託麻中中学校が反撃に転じ、スクラムよりオープンに展開中央付近にトライ・コンバージョンゴールも成功し、7点。前半終了間際22分、仰星中学校がオープンに展開し、再三ライン攻撃を仕掛け最後はフォワードが中央付近に持ち込みトライしさらに5点。24点とする。終始、仰星中学校が早い球出しに加えバックスのオープン展開で、託麻中学校を責め立て試合展開を有利に進めた。
 後半、託麻中学校も意地を見せ、試合は小康状態のまま進み、後半18分、仰星中学校が敵陣ゴール前からバックスに展開し中央付近にトライ5点。合計29点。
 両チーム共に果敢にバックス攻撃を仕掛け・オープンに展開する見応えの有る試合内容であったが、スキル及び運動量に勝る仰星中学校が、熱戦を制した。


9/19 11:30KO 決勝戦
京都市立西陵中学校(24) 対 (7)本郷中学校


 初優勝を狙うチーム同士の決勝戦は風下の西陵中学校ボールのキックオフでスタート。風上の本郷中学校はキックでエリアを取りにいき、レシーブした西陵中学校はカウンターアタック。西陵中学校がボールを動かすが、本郷中学校は粘り強いディフェンスと素早いジャッカルで得点を許さない。息詰まる攻防が続き、ノースコアのまま前半終了。
 後半に入り、西陵中学校のフォワード、バックス一体となった攻撃が勢いを増し、本郷中学校のディフェンスも止めきれなくなる。後半6分、11分、15分、18分と4トライ2ゴールで24対0とする。後半20分には本郷中学校がトライを返すが、24対7でノータイム。西陵中学校が初優勝を遂げた。