「太陽生命カップ2016 第7回全国中学生ラグビーフットボール大会」戦評

スクールの部

9/17 16:30KO 1回戦
筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール(24) 対 (19)田園ラグビースクール


 開会式の余韻が残る中で行われたメインスタジアムの第1試合は前半3分、筑紫丘ラグビークラブの左中間への先制トライで幕を開けた。前半5分には田園ラグビースクールが相手のキック処理のミスを突き、中央へトライを挙げ、コンバージョンゴールも決まって7対5と逆転した。さらに前半集間際にも田園ラグビースクールが1トライを追加し、12対5とリードを広げた。
 後半に入ると、お互いに持ち味を生かしてトライを奪い合い、19対17と田園ラグビースクールがリードしてノーサイドかと思われたが、筑紫丘ラグビークラブが最後の粘りを見せ、フォワードが押し込んで劇的な逆転トライを挙げ、24対19で勝利した。

9/17 17:00KO 1回戦
ワセダクラブ・ラグビースクール(19) 対 (24)兵庫県ラグビースクール

 試合はワセダクラブRSのキックオフで開始。 開始早々2分、ワセダクラブラグビースクール自軍20メートル付近よりオープンに展開、ウィングがタッチライン際を走り抜けトライ・コンバージョンゴールともに成功し7点を先制。前半5分、兵庫県ラグビースクールも果敢に攻めワセダクラブラグビースクールのゴール前まで攻め込み、再三のセットスクラムから最後はフォワードが押し込みトライ5点を返す。前半8分、ワセダクラブラグビースクールは敵陣ゴール5メールのラインアウトからモールを作り、押し込みトライ。5点を追加し合計12点とする。両チーム共に恵まれた体を生かし、果敢にライン攻撃を仕掛けるが、特に、ワセダクラブラグビースクールのライン攻撃が目立ち、ハンドリングミスも少なかった。
 後半開始3分、兵庫県ラグビースクールがスクラムから仕掛け、バックスに展開、ワセダクラブラグビースクールのバックスラインの穴・中央突破し、中央にトライ・コンバージョンゴールも成功し7点を追加。合計12点とする。後半7分、中央付近兵庫県ラグビースクールの反則から、ワセダクラブラグビースクールが素早く反応し、バックスに展開中央にトライ・ゴール成功しさらに7点を追加し、19点とする。後半9分、兵庫県ラグビースクールがスクラムから仕掛け、再三のポイントからの球出しの末、バックスの中央へのトライ・コンバージョンゴールも成功し7点。19点とする。後半15分、兵庫県ラグビースクール自軍スクラムから、大きくオープンに展開、サイドに飛び込みトライ5点。合計24点。
 両チーム共にキックを多用することなく、果敢にバックス攻撃を仕掛け・オープンに展開する見応えの有る試合内容だった。

9/17 17:00KO 1回戦
南信州Jr.ラグビースクール(22) 対 (7)芦屋ラグビースクール


 粘り強いディフェンスが信条の芦屋ラグビースクールが、試合開始から信条通りの粘りを見せていたが、展開力に優る南信州Jr.ラグビースクールが攻め続けて1トライを奪い先制。続けてフォワードのライン参加から追加点を奪い、前半終了間際にもフォワードが押し込んでトライ。17対0で折り返した。
 後半は芦屋ラグビースクールが先にトライを奪って7点を返したが、南信州Jr.ラグビースクールがバックスの突破で5点を追加、22対7で南信州Jr.ラグビースクールが初戦を突破した。
 芦屋ラグビースクールの縦の攻撃も光っていたが、チャンスでのハンドリングエラーが残念であり、南信州Jr.ラグビースクールのバックスの決定力が優った試合であった。


9/17 18:20KO 1回戦
吹田ラグビースクール(14) 対 (12)長崎ラグビースクール


 序盤は両チームとも初戦ゆえの硬さがあり、ボールが手に付かずミスが目立つ立ち上がりとなった。ディフェンスからチャンスを掴みたい吹田ラグビースクールに対し、ボールを大きく早く動かしたい長崎ラグビースクール。ゲームが動いたのは前半9分過ぎ。吹田ラグビースクールのゴール前ラインアウトから長崎ラグビースクールがバックスに展開し中央にトライ、主導権を握る。さらに前半16分に長崎ラグビースクールがトライを追加。吹田ラグビースクールもフォワードを中心にゲインを重ね、前半終了間際にバックスのサインプレーから中央にトライを返した。
 後半3分、先にトライをしたのは吹田ラグビースクール。ゴール前ラインアウトからモールを押し込んでトライ。長崎ラグビースクールはモールへの対応が上手くできないシーンが目立つ。中盤頃から吹田ラグビースクールのディフェンスが機能しはじめ、長崎ラグビースクールのバックスを封じ、展開を許さず一進一退の攻防が続いた。吹田ラグビースクールが2点リードで迎えた残り1分、長崎ラグビースクールがバックスに展開し、フェーズを重ねるも吹田ラグビースクールのディフェンスを崩す事ができなかった。

9/18 9:20KO 敗者戦
田園ラグビースクール(7) 対 (8)ワセダクラブ・ラグビースクール


 早く、大きくボールを動かしたいワセダクラブと、ディフェンスからリズムを掴みたい田園ラグビースクール。序盤からそれぞれの持ち味を生かした見応えのあるゲームとなった。
 試合が動いたのは終盤近くになってから。田園ラグビースクールがワセダクラブにプレッシャーをかけ続けたことから徐々にペースを掴み、ワセダクラブをゴール前に釘付にする。ワセダクラブも必死のディフェンスでしのぐものの反則を繰り返し、田園ラグビースクールにトライを許してしまう。前半のラストプレーでペナルティキックからゴールを狙い、3点を返して前半を終えた。
 後半は開始直後からワセダクラブが田園ラグビースクール陣内に攻め込み、ポイントに人数をかけずに数的優位をつくり、素早いリサイクルから右隅にトライ。逆転に成功。その後、互いにチャンスをつくるもののゴールラインを割ることができない。両チームに疲れが見えはじめた終盤、田園ラグビ―スクールのフォワードの縦への突進を耐えきれずにワセダクラブが反則。田園ラグビースクールがペナルティゴールで逆転を狙うも惜しくも外し、そのままノーサイドを迎えた。両チームのカラーが存分に発揮された見応えのある好ゲームだった。

9/18 9:20KO 敗者戦
芦屋ラグビースクール(19) 対 (17)長崎ラグビースクール


 試合は芦屋ラグビースクールのキックオフで開始。 両チーム共にスキルの高い・好ゲームな試合展開。前半10分、長崎ラグビースクールが敵陣で仕掛け、バックスのラインをかわし中央にトライ・コンバージョンゴールも成功し7点。長崎ラグビースクールが、芦屋ラグビースクールのゴール前で再三の攻撃を仕掛け、最後はオープンからタッチ際を駆け抜けトライ・コンバージョンゴールともに成功しさらに7点を追加して合計14点。両チーム共に恵まれた体を生かし、長崎ラグビースクールはキックを多用することなく、果敢にライン攻撃を仕掛け、フォワード・バックス一体となった攻撃でゴール前に攻め込みトライを奪った。
 後半4分、芦屋ラグビースクールが反撃を開始、敵陣ゴール前の混戦からフォワードが押し込みトライ5点。長崎ラグビースクールもパワフルに走り回り芦屋ラグビースクールのラインオフサイドを誘い、長崎ラグビースクールがペナルティゴールを成功させ3点を追加。17点とする。後半14分、終盤に差し掛かり芦屋ラグビースクールの巻き返し、左オープンに展開し左隅にトライ・コンバージョンゴール成功し7点を追加して計12点とした。後半21分、ノーサイドギリギリの時間帯の中央での混戦から、芦屋ラグビースクールのバックスがゴールラインに飛び込みトライ・コンバージョンゴールともに成功し7点を追加して19点と逆転。
 両チーム共に恵まれた体を生かし、キックに頼らず果敢にライン攻撃を仕掛け・走り回り、タックルにもしっかりと入り、ハンドリングミスも少なく、見応えのある試合展開となった。



9/18 10:15KO 準決勝
筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール(35) 対 (7)兵庫県ラグビースクール


 前半開始1分、筑紫丘ラグビークラブが接点で当たり勝ち、前進してCTBがトライ、コンバージョンゴールも決まり7点を先制。筑紫丘ラグビークラブはバックス、フォワード一体となり、ゲインを切りモールを押し込んでSOがトライ。コンバージョンゴールも決まり、7点を追加したが、体格で優る兵庫県ラグビースクールが左オープンから左WTBがスワーブとハンドオフで相手を振り切りトライ。コンバージョンゴールも決まり、7点を返した。筑紫丘ラグビークラブは左PRが縦に出て相手を跳ね飛ばしてトライ、コンバージョンゴールも決まり、21対7で折り返した。
 後半10分、ターンオーバーから筑紫丘ラグビークラブが左に展開、FBがトライ、コンバージョンゴールも決まりリードを広げた終了間際にもポジションチェンジのPRがゴール前のスクラムからサイドを突破してトライ。コンバージョンゴールも決まり、35対7で決勝進出を決めた。筑紫丘ラグビークラブは体幹が強く、フォワード、バックスともにディフェンスも強く、ビックタックルを連発していた。

9/18 10:15KO 準決勝
南信州Jr.ラグビースクール(14) 対 (5)吹田ラグビースクール


 雨中の戦いとなった準決勝戦は、前半3分南信州Jr.ラグビークラブが吹田ラグビースクールのディフェンスのギャップを突き、中央に先制トライを挙げてペースを握った。対する吹田ラグビースクールは前に出る果敢なタックルで南信州Jr.ラグビースクラブの出足を止め、7対0で前半を折り返した。
 サイドが変わった後半は、吹田ラグビースクールがキックを上手く使い敵陣でゲームを進めたが、南信州Jr.ラグビークラブの硬いディフェンスに阻まれ、ゴールラインを割れない。逆に後半12分、南信州Jr.ラグビークラブがフォワードとバックス一体となった攻撃で1トライを追加した。吹田ラグビースクールも終了間際にトライを挙げ、粘ったが14対5で南信州Jr.ラグビークラブが逃げ切った。

9/19 9:00KO 7位決定戦
田園ラグビースクール(21) 対 (28)長崎ラグビースクール


 小雨の降る中、田園ラグビースクールのキックオフで前半が開始された。前半3分、幸先よくゴール手前でペナルティを得た田園ラグビースクールが速攻を仕掛け右中間にトライ、コンバージョンゴールも成功し、7対0とする。その後、どちらも積極的にボールを動かすが、お互い粘り強いディフェンスで得点ならず。前半18分にペナルティから長崎ラグビースクールが抜け出しトライを返した。合わせてコンバージョンゴールも成功させ7対7と振り出しにもどす。さらに前半21分、長崎ラグビースクールは中央センター付近のスクラムから左に回し、スタンドが抜け出し展開、左にトライ。難しい角度からのゴールも成功させ、7対14と逆転して前半を終える。
 後半1分、前半の終盤からの勢いのまま長崎ラグビースクールがゴール前で得たペナルティから速攻を仕掛け中央に回り込んでトライ。コンバージョンゴールも成功させ7対21と突き放す。田園ラグビースクールも後半8分、長崎ラグビースクールが蹴った後のディフェンスをミスしたため、大きくゲイン。その後、右に転換、中央に回り込んでトライを返し、ゴールも成功。14対21と迫る。しかし、後半11分、その後のキックオフでボールを取り返した長崎ラグビースクールが連続攻撃で抜け出し、右中間にトライ。コンバージョンゴールも成功させ、14対28と再び突き放す。ロスタイムに入って長崎ラグビースクールが40mのショットを狙うが、それを外し田園ラグビースクールがカウンター。そこで得たペナルティから速攻を仕掛け、中央にトライを返し、コンバージョンゴールも成功。21対28と迫るがノーサイド。最後まで目の離せない好ゲームであった。

9/19 9:00KO 5位決定戦
ワセダクラブ・ラグビースクール(7) 対 (14)芦屋ラグビースクール


 前半6分、芦屋ラグビースクールがターンオーバーから左に展開。バックス、フォワードと繋いでトライ、コンバージョンゴールも決まって7点を先制。体格で上回るワセダクラブも展開するが、インターセプトやハンドリングエラーでチャンスを潰してしまう。しかし前半15分に大型バックスの突破から11番が中央にトライ、コンバージョンゴールも決めて7点を返して同点。前半18分に芦屋ラグビースクールの10番がゴロキックを蹴り、それを押さえてトライ、コンバージョンゴールも決めて14対7で前半終了。
 後半は芦屋ラグビースクールが敵陣で試合を進めたが、ワセダクラブも体を張ってディフェンスし、スコアレスで14対7で芦屋ラグビースクールが勝利を納めた。体格で劣る芦屋ラグビースクールはボールへの働きかけが速く、10番のキックを中心にゲームをコントロールしていたのが印象的であった。


9/19 9:20KO 3位決定戦
兵庫県ラグビースクール(33) 対 (19)吹田ラグビースクール


試合は兵庫ラグビースクールのキックオフで開始。 両チーム共にスキルの高い・好ゲームな試合展開。前半5分、吹田ラグビースクールが敵陣ゴール前まで攻め込み、再三の混戦・フォワード戦を押し込み中央付近にトライ・コンバージョンゴールも成功し7点を先制。前半10分、吹田ラグビースクールが、兵庫ラグビースクールのゴール前で再三の攻撃を仕掛け、最後はラックから押し込みトライ・コンバージョンゴール共に成功し7点を追加。14点とする。前半13分、兵庫ラグビースクールが、中央付近のスクラムからオープンに展開、最後はウィングが力強い走りでゴールラインを駆け抜けトライ・コンバージョンゴール共に成功し7点を返す。前半の22分、兵庫ラグビースクールが仕掛け、オープンに展開・バックスを走らせトライ・難しい位置からのコンバージョンゴールも成功させ7点を追加し14点とする。両チーム共に恵まれた体格、特に兵庫ラグビースクールの立派な体格が目立ち、両チーム共にオープン展開でグランド狭しと走り回り、果敢にライン攻撃を仕掛ける。
 後半8分、兵庫ラグビースクールが攻撃を仕掛け、大きくオープンに展開しトライ5点を獲得。19点とする。後半14分、吹田ラグビースクールが敵陣ゴール前でのフォワード戦・混戦を制しトライ5点を追加し19点。同点とする。後半18分、兵庫ラグビースクールが敵陣ゴール前のポイントからディフェンスラインを中央突破し、中央にトライ・コンバージョンゴールも成功し7点を加え、26点。後半23分、兵庫ラグビースクールが吹田ラグビースクールを引き離しにかかり、果敢にも自軍深くからオープンに展開、バックスラインを突破し中央にトライ・コンバージョンゴール成功し7点を追加、33点とする。
 両チーム共に恵まれた体を生かし、キックに頼らず果敢にライン攻撃を仕掛け・走り回り、タックルにもしっかりと入り、ハンドリングミスも少なく、特にペナルティーが少なくクリーンな、見応えのある試合展開となった。



9/19 10:20KO 決勝戦
筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール(19) 対 (15)南信州Jr.ラグビースクール


 3年連続出場の筑紫丘ラグビークラブと2年振り2回目出場の南信州Jr.ラグビースクール。共に初優勝を目指すチーム同士の対戦となったスクールの部の決勝戦。序盤は両チームとも激しいタックルの欧州でゲインを許さなかったが、筑紫丘ラグビークラブが積極的にボールを動かしてスペースに走り込み、徐々に流れを掴み始める。点数が動いたのは前半7分。南信州Jr.ラグビースクール陣22m付近のスクラムから筑紫丘ラグビークラブ7番が中央にトライ。その後、フォワード戦で優位に立った筑紫丘ラグビークラブが連続でトライを挙げたが、直後のキックオフから南信州Jr.ラグビースクールが連続で接点を制しトライを返した。
 後半は開始直後から南信州Jr.ラグビースクールが攻め込み、ラインアウト、モールからトライ。筑紫丘ラグビークラブもディフェンスから反撃を試みるも、ペナルティキックで波に乗ることができず、近場を攻め続ける筑紫丘ラグビークラブの攻撃を南信州Jr.ラグビースクールが粘り強く止め続ける時間帯が続いた。再びゲームが動いたのは後半17分。近場にこだわり、フォワードで攻め続けた筑紫丘ラグビークラブがついに南信州Jr.ラグビースクールの堅いディフェンスをこじ開けてトライ。このまま終わるかと思われたが、南信州Jr.ラグビースクールがラインアウト、モールからフォワードが押し込み、維持のトライを返したところでゲーム終了。筑紫丘ラグビークラブが初優勝を飾った。決勝に相応しい好ゲームだった。